テレビドラマ『ガリレオ２』の原作ですね。
週刊誌の取材で新興宗教“クアイの会”を訪れた里山奈美は、驚きの儀式を目にします。
悪徳新興宗教を疑っていた奈美は、教祖・連崎至光の悪事を暴こうとしていました。
奈美が案内された“浄めの間”には会の幹部たちが集められていました。
連崎は、第五部長が会を裏切っていると言い、奈美の目の前で得体のしれない念力を使い始めます。
濡れ衣を主張し続ける第五部長ですが、次第にその表情は苦悶へと変わります。
往生際の悪い第五部長に、連崎は一層強い念を込め、耐えきれなくなった第五部長は窓から投身し、死んでしまいました。
怪奇な事件を任された刑事・草薙は、連崎の念力を見破るべく、天才物理学者・湯川学を訪ねます。
物理学は宗教詐欺の真相まで見抜けるんですね。
もっと物理の勉強しておけばよかったなあと後悔せずにはいられません。
世の中のことがもっとよくわかって面白そうですよね。
第１章“幻惑す”は、新興宗教を使った殺人です。
科学の力を使って、あたかも念力が働いているように見せかけるという詐欺ですね。
一般的に宗教関連の詐欺と言われると、ご利益のない高額の壺を売りつけられたり、高い会費をふんだくられたり、といったものを想像しがちですが、連崎も騙され、教祖として祭り上げられていたんですね。
本のタイトル通り、連崎至光はまさしく『虚像の道化師』でした。
“送念”のトリックに気づかず、自分の大きすぎる力のせいで第五部長を殺してしまったと本気で思っていました。
効果の有無はおいておいて、教祖自身も宗教を信頼しきっています。
本来であれば、連崎はとても人を覚悟して騙せるような人間ではありません。
秘密を知らないからこそ、リアルな演出ができたのでしょうね。
だから教祖なのに何も知らされず、騙されてしまったわけですが、首謀者が妻だったのがなお悲しいところです。
独自の修行や瞑想をしていたのに、最も身近な人間の本心に気づかなかったのですから、やはり人を見る目がなかったんでしょうか。
ずっと騙されていただけでなく、犯罪の片棒を担がされて、善意の自首まで人気取りに利用されたとなると、いたたまれません。
トリックを知らず自分の力で人を殺めてしまったと懺悔するのも、善意の第三者として殺害計画に組み込まれただけだととらえるのも、幸せとは言えませんね。
哀れな話でした。
さてさて、メディア買取ネットでは、今日ご紹介した
『ガリレオ』シリーズ
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